コミュニケーション上達の第一歩~まずは話の聴き方から鍛える~

こんにちは、またはこんばんは。
コミュ障のマサです。

 

今日はコミュニケーションが苦手だという方が、コミュニケーションを鍛える上でまずここから始めてほしいということをお伝えします。

それは、話の聴き方から鍛えることです。

なぜかというと、人は基本的に聴くよりも話すほうが好きなため、話をうまく聴けるようになれば人に好かれることが増え、人間関係が向上しやすいからです。

こういうことを言うと、「いやいや私は話すより聴くほうが好きだよ」「私も口下手だし…聴くほうが好きかな」といった声が必ず挙がります。
ですが、それもほとんどの場合自分が聴きたいことを聴くのが好きなだけです。

もし今これを読まれているあなたが話すより聴くほうが好きというのであれば、1つ質問をさせてください。

「あなたは、見ず知らずの酔っぱらいのおじさんの仕事の愚痴話に1時間真剣に耳を傾けることができますか?」

…もし、この質問にYesと答えられるなら、あなたは本当に話すより聴くのが好きな方なのだと思います。
ですが、もし答えがNoならそれはあなたが聴く話の内容や、話し手を選んでいるということです。
誰でも面白い話や興味のある話、あるいは自分が好きな人の話なら長時間楽しく聴くことができるでしょう。ですが、興味のない人の興味のない話を長時間聞くことは多くの人にとって苦痛でしかありません。話すより聴くほうが好きという人でなくても、子供のころ校長先生の長い話を最初から最後まで真剣に聞くことができたかを思い出してもらえれば、このことが実感できるのではないでしょうか。

ところで、皆さんは自分が普段「面白い話・興味深い話」をできているという自信があるでしょうか?
おそらく、多くの人は「自信がない」と答えると思います。こういうブログを見ている方ならなおさらでしょう。かくいう私も自信はないです。
しかし、これはチャンスでもあるのです。
多くの人は自分の話の内容にそこまで自信がないものですし、また多くの人は興味のない話を長時間聴くのは苦手です。
だからこそ、面白くもない話に真剣に耳を傾けてくれる人は好かれるのです

さて、ここまでで話の聴き方を鍛える重要性についてはある程度理解していただけたかと思います。では、話の聴き方を鍛えるといっても具体的にどうすればいいのでしょうか?
ここでは3つのポイントにまとめて紹介しましょう。

話の聴き方①:「オウム返し」と「言い換え」で話を聴いていることを伝える
 
話を聴いていることを伝えることの重要性は、コミュニケーションの原則1:相手の話を聴いていることを伝えるの記事で述べた通りです。

masa-commusyou.hatenablog.com

 ここでは、その具体的手段として「オウム返し」と「言い換え」の2つを挙げましょう。
 オウム返しとは言葉の通り、相手の話の内容をそのまま繰り返すことです。

Aさん「私お酒の中でもビールが好きなんですよ~」

Bさん「ビールが好きなんですね~」

という具合です。

 一方、言い換えはそのままの意味で、相手の話を別の言葉で言い換えることです。
Aさん「私夏より冬のほうが好きなんです。熱いの苦手で…」
Bさん「(つまり)寒いほうが好きなんですね」
 話を聴いていることを伝える手段は他にもありますが、一気に色々マスターしようとすると大変ですので、まずは「オウム返し」と「言い換え」の2つから始めてみましょう。

話の聴き方②:相手のYes/Noのサインに注目する
 ポイントの2つ目は相手の発するYesまたはNoのサインに注目することです。
Yesのサインとは言語情報だと「はい」「そうです」「そうなんです」という言葉。非言語情報だと笑顔やうなずきなどです。
逆にNoのサインは言語情報だと「でも」「しかし」「そうじゃなくて」など。非言語情報だと俯いたり、目線が合わなかったりなどです。
基本的に相手が気持ちよく話せていればYesのサインが多くなるものです。
そして、上で挙げたオウム返しと言い換えは相手のYesのサインを導く手段でもあります。オウム返しも言い換えも、相手の話を繰り返しているという点では同じです。
ですので、「でも」「しかし」といった逆接の意味の言葉は出てきにくく、「そうなんです」といったYesの言葉が自然と多くなるわけです。

話の聴き方③:共感を示す
 
ポイントの3つ目は共感を示すことです。共感するではなく共感を「示す」という点がポイントです。いくら共感していてもそれが相手に伝わっていないのでは相手との関係性は向上しないのは分かるかと思います。これは原則1:相手の話を聴いていることを伝えると同様のことです。では、どうやって共感を示せばよいのでしょうか?
 共感を示すには、相手の話した出来事をオウム返しし、それに続けて相手がそのとき抱いた(抱いている)であろう感情を伝えます。
例えば、
A「昨日、応援している~が試合で勝ったんだよ!」
B「~が勝ったんだ!それは嬉しいね!」
という具合に、「~が勝ったんだ」と相手の述べた出来事をオウム返しし、それに伴った(であろう)感情を「嬉しいね!」と述べるわけです。
ここで重要なのは、相手がどんな感情を抱いたかを質問しないことです。
質問は分からないからするものですから、質問してしまうと相手の気持ちが分かってない→共感されていないということが伝わってしまいます。
実際、上のBさんの返答が「~が勝ったんだ。嬉しかったですか?」だったなら共感されているとは感じにくいでしょう。
とはいえ、一方で相手の気持ちは目に見えるものではないですから、「相手の気持ちなんて分かるはずないじゃないか」という意見もあるでしょう。それは確かにその通りです。私だって相手の気持ちなんてそうそう分かるものではありません。
ですが、上の例で言えば応援している人(チーム)が試合で勝ったら、一般的に人は嬉しかったり喜んだりするだろうということは、なんとなく想像がつきませんか?(もちろん例外はあり得ますが)
また、相手が「嬉しかった」と言葉で述べていなくても、表情などの非言語情報で相手が「喜怒哀楽」の「喜・楽」か「怒」か「哀」のどれを抱いているかぐらいは区別が付きそうではないですか?
共感を示す際のポイントは、相手の表情を参考にしつつ、一般的に多くの人が抱きそうな感情を述べることです。もちろん、これは外れることもあります。でも外れた場合はその人固有の感情の抱き方が分かってくるという収穫があります。関係が深まるにつれて「一般的に多くの人ならこういう感情を抱くだろう」から「この人ならこういう感情を抱くだろう」にシフトすることができるのです。
まずはあまり親しくない人には「一般的に多くの人が抱きそうな感情」を述べることから始め、親しい間柄になるにつれ「この人ならこういう感情を抱くだろう」ということを述べれば大丈夫です。
 ところで、相手が抱いているであろう感情を述べ、外した場合はどうフォローすればいいのでしょうか。その場合は、相手が述べたことをオウム返しすればOKです。
例えば、
A「昨日、応援してた~が試合で勝ったんだよ」
B「~が勝ったんだ!それは嬉しいね!」
A「うーん、でも試合の内容がよくなかったんだよね…」
B「試合の中身はよくなかったんだ…」(オウム返し)
という具合です。

以上、まとめると
・まずは話の聴き方から鍛える
・話の聴き方のポイント3つ
 ①「オウム返し」と「言い換え」で話を聴いていることを伝える
 ②相手のYes/Noのサインに注目する
 ③共感を示す
  ・
一般的な感情→その人独自の感情
  ・外してNoが返ってきたらオウム返し

です。

聴き方が上達してくると「自分は口下手」という人でも30分40分と話してくれたりするので、なかなか楽しいですよ!

コミュニケーションにおける2つの態度

こんにちは、またはこんばんは。
コミュ障のマサです。

今日は人と接するうえで基礎となる2つの態度についてお話します。

 

その2つの態度とは、
態度1.他人を理解しようとする
態度2.人を喜ばせるために考え、行動する
です。

 

ここれまでの記事でコミュニケーションの原則として、
原則1.相手の話を聴いていることを伝える
原則2.言語情報と非言語情報を一致させる
原則3.感情ベースの会話と事実・数値ベースの会話を区別する
原則4.相手をよく観察する
原則5.第一印象を磨く
の5つをお伝えしましたが、上の2つの態度はこれを実践するうえで基礎となるものです。
基本的に5つの原則は「他人を理解する」、「人を喜ばせる」の2つの目的を果たすための手段として機能すると考えてください。

 

また、ここで肝に免じていただきたいのは人とのコミュニケーションにおいて絶対的な正解はないということです。
どうすれば相手が喜んでくれるのか、どうすれば相手を理解できるのかについて、一般的にこうすると喜んでもらえるという話はできますが、具体的に目の前の相手がどうすれば喜んでくれるのかについてはあなた自身が考え、試行錯誤するしかありません。
当たり前ですが、この世のありとあらゆる会話パターンを把握・記憶し適時当てはめるなんてことは不可能です。これから2つの姿勢と5つの原則を踏まえつつ、より具体的にどうすればいいのかについてお伝えしていきますが、あくまで絶対的な正解はない以上ある程度抽象的にならざるを得ない部分はあります。

例えば、原則1.相手の話を聴いていることを伝えるも抽象的ですよね。具体的にどうすれば伝わるのかはオウム返しをするなどある程度具体的なレベルまで落とし込めますが、さすがに一字一句こうすればいいというレベルまで具体的にはできません。ですので、目の前の人がどうすれば喜んでくれるのか、目の前の人はどうしてこのように考えたり、感じたり、行動したりするのだろうかということは、皆さんが目の前の人と向き合い、考え、行動し、答えを見出していくしかないわけです。

 

当り前ですがコミュニケーションはアドリブです。プレゼンなどある程度一方的に話す形のコミュニケーションなら事前にネタを準備しておくことも可能ですが、日常会話においては難しいことです。だからこそ一般的なコミュニケーションの原則を押さえつつ、それをもとに皆さんなりのコミュニケーションの取り方を確立していってほしいと思います。

 

以上、次はコミュニケーション能力を鍛える上で、まずここから始めてほしいということについてお話します。

 

 

コミュニケーションの原則5. 第一印象を磨く

こんにちは、またはこんばんは。
コミュ障のマサです。

 

今日はコミュニケーションの原則ラスト。原則5.
第一印象を磨く
についてです。

 

 突然ですが皆さんは「単純接触効果」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?
これは1968年、心理学者のロバート・ザイアンスが論文にまとめたもので、「人は最初特に興味のなかったものでも、繰り返し接すると次第に好きになる」という法則です。
例えば、CMで流れている曲が最初好きでもなかったのに気が付いたら好きになっていたなんて経験はありませんか?
これも単純接触効果の一例です。
ただし、単純接触効果が働くには前提条件があります。
それは最初に接したとき、すなわち第一印象が「中性または好印象であること」です。
中性というのは特に好きでも嫌いでもないという状態のことです。
つまり、第一印象が悪いと単純接触効果は働いてくれないわけです。

例えばSNSマッチングアプリでやり取りしていた相手と初めて会う場面を想像してみましょう。
待ち合わせ場所で待っていると「~さんですか?」と声をかけられ振り返ってみると、そこにはヨレヨレのTシャツに、グレーのダボダボのスウェットパンツ、足元はボロボロのサンダルを履いた男性(または女性)の姿が…。
…どう思うでしょう?
さすがに初デートでそれは…とか、清潔感が無い、部屋着みたい、ちゃんと異性として見てるのか?…etc
感想はいろいろあれ、ここから好きになるのが相当難しいのは想像できるかと思います。
俗にいう「生理的に無理」というやつです。
さすがに例が極端すぎた気もしますが、第一印象がいかに重要かというのはお分かりいただけるかと思います。

 

さて、ところで第一印象とは何で決まるのでしょうか?
上の例を考えても分かるように、外見は第一印象を決める上で大きな要素ですがそれだけではありません。
まず前提として、人は五感すなわち「視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚」を用いて情報を処理しています。
このうち人の第一印象を決める要素としては、「視覚、聴覚、嗅覚」で処理されるものすなわち「外見(視覚)、声のトーンや話し方(聴覚)、匂い(嗅覚)」の3つです。
よって、第一印象を磨くということは
1.外見
2.声や話し方
3.匂い(体臭や服のにおいなど)のケア
の3つを磨くと言い換えることができます。

磨くと言うと大変そうに聞こえるかもしれませんが、1.外見と3.匂いについては一般的な身だしなみを整えることができていればとりあえずはOKです。髪を切る、爪を切る、ムダ毛を剃るなどですね。一応男性の方も基本的なスキンケアや服装もちゃんと出来るとより良いのですが、そのあたりは追々説明していきます。
2.声や話し方については、ぜひ一般向けのボイストレーニングの本を一冊買って実践していただきたい。何も声優を目指すわけではないので、一日数分のトレーニングでも十分に効果は出ます。
参考までに私は下記の本に書かれているトレーニングをほぼ毎日数分間行っています。

白石 謙二(2007)『DVD付き 人に好かれる声の磨き方と話し方』永岡書店https://www.amazon.co.jp/gp/product/4522425031/ref=dbs_a_def_rwt_bibl_vppi_i7

 

ただし、あんまり無理やり大きく口を開けすぎると顎関節症になることがあるので、無理のない範囲で行ってみてください(私はなりました泣)

 

以上!次はここまで述べたコミュニケーションの5原則
原則1.相手の話を聴いていることを「積極的に」伝える
原則2.言語情報と非言語情報を一致させる
原則3.感情ベースの会話と事実・数値ベースの会話を区別する
原則4.相手をよく観察する
原則5.第一印象を磨く
を実践するうえで大切なコミュニケーションにおける2つの姿勢についてお話する予定です。

 

原則1~4の記事を未読の方はぜひ下記も読んでいただけると嬉しいです。

masa-commusyou.hatenablog.com

masa-commusyou.hatenablog.com

masa-commusyou.hatenablog.com

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コミュニケーションの原則4. 相手をよく観察する

こんにちは、またはこんばんは
コミュ障のマサです。

 

今日はコミュニケーションの原則4.
相手をよく観察する
について説明します。

 

(ちなみにコミュニケーションの原則は全部で5つあります。最初に言っておくべきでしたね汗。)

 

相手をよく観察することの主な目的は相手の感情に気づくことです。


 感情のやり取りや共感の重要性を原則3.感情ベースの会話と事実・数値ベースの会話を区別するの記事で述べましたね(未読の方は一読いただくと理解が深まります)。

masa-commusyou.hatenablog.com

 

 そして共感を示す際には相手の感情を推測することが必要なわけです。
 感情を推測するには相手の話の内容ももちろんヒントになりますが、感情というのは必ずしも言葉で表現されるとは限りません。
例えば、あなたが朝職場に行って好意を抱いている相手や尊敬している上司に会った場面を想像してみてください。
きっと、
「おはようございます!」
笑顔で、そして比較的明るい声で挨拶をしますよね(場合によっては緊張して声をかけられないとかもあるとは思いますが…)。
このとき言葉の内容としては「おはようございます」と述べているだけですが、表情や声のトーンといった非言語情報によって「あなたに会えてうれしいです!」といった感情を伝えているわけです。
このように感情というのは言語情報だけでなく、非言語情報でも表現されます。よって相手をよく観察し、相手の感情に気づいて共感を示していくことが重要になってくるわけです。
 とはいえ、相手をよく観察することが大事と言われても何をどう観察していいか分からない…という方もいると思います。
 そこでオススメしたいのは相手の表情をよく観察することから始めることです。
理由は2つあります。
1つは感情は非言語情報の中でも特に表情によく現れるからです。
このことは上のあいさつの例をイメージしてもらっても納得できるかと思います。声のトーンなどはある程度意識したり、ボイストレーニングをしていないとうまく感情にあった声が出ないこともありますが、会って嬉しい相手に会うなど嬉しいことがあれば自然と笑顔になりますよね。また、疲れていたり嫌なことがあれば自然と表情が暗くなりがちなのは経験としても分かるのではないかと思います。
理由の2つめは自然と目線が相手の顔に向くからです。
コミュ障あるあるだと思うのですが、相手の目を見るの苦手だったりしませんか?
かといって意識してじっと見つめっぱなしだと、相手に緊張感を与えてしまったり…。私も相手の目を見るのがいまだに苦手だったりします。ですが相手の表情をよく観察しようとすると自然と相手の顔に視線が向くわけですね。しかもずっと目だけを見つめる形にはならないから、変に見つめっぱなしにもならずちょうどいいわけです。

 もちろん、話の内容だったり仕草であったり観察すべきことは多々ありますが、いきなりあれもこれもというのは難しいでしょう。まずは表情を観察することから初めて、他のことは表情を観察することに慣れてきてからで十分です。
 他の観察すべきことについてはまたの機会に説明しますので、まずは相手の表情をよく観察することからぜひ実践してみてくださいね。

 

 さて、次はいよいよコミュニケーションの原則の最後です。
 明日か明後日には上げますのでお楽しみに!

コミュニケーションの原則3.感情ベースの話と事実・数値ベースの話を区別する

こんにちは、またはこんばんは。

コミュ障のマサです。

 

今日はコミュニケーションの原則3.
感情ベースの話と事実・数値ベースの話を区別する
についてお伝えします。

 

 人の話は大きく感情ベースの話と事実・数値ベースの話に分けることができます。
 感情ベースの話とは、嬉しい・楽しい・悲しい・寂しい・腹が立つ・イライラするなど感情のやり取りがベースとなる話です。プライベートにおける雑談などは多くの場合感情ベースの話になることが多いと思います。例えば、「先週のあのドラマ面白かったね!」、「あの犬かわいいね」、「先週上司の~さんに腹立っちゃって」など。普通「出来事+(出来事にともなう)感情」という文章構造になります。
 それに対して事実・数値ベースの話とは、単に事実を伝えたり、あるいは事実・数値にもとづく考えを述べたりする話です。ビジネスシーンでの会話をイメージしてもらえれば分かりやすいかと思います。例えば、「今月の売り上げは前月比~で…」、「先週の打ち合わせで~と決まりました」、「明後日~さんが欠勤するから代わりに出勤できないかな?」など。

 

 そしてコミュニケーションにおいては、この話は感情ベースか事実・数値ベースなのかを区別し、それに応じた対応をすることが大切です。

例えば男女のやり取りでありがちなのが…
女性「~ということがあって~さんに腹が立ったんだよね!」
男性「気持ちはわかるけど、~さんにも一理あるんじゃないか」
…みたいなやり取り。女性が感情ベースで話しているのに、それに対して男性が事実に基づく考えやアドバイスをしてしまうパターンですね。
こういう場合は女性は共感してほしいだけで、意見は求めていないことが多いです。

あるいはビジネスシーンにおいて、
A「~という数字が出ているため、販売戦略は~でいこうと考えています」
B「それは面倒なので、~のほうがいいのではないか」
など客観的な根拠もなく面倒だからなど感情的に意見されたら困りますよね。


 一般に女性は感情ベースの話を好むのに対し、男性は事実・数値ベースの話を好む傾向があるため特に男女間ではこういった齟齬が起きやすいです。

 

 では、感情ベース、事実・数値ベースの話において、それぞれに適した対応とはどのようなものなのでしょうか。

 

 事実・数値ベースの話についてはビジネスマンにとっては慣れ親しんでいると思いますので、分かりやすいと思います。
 感情的に判断せず、事実・数値など客観的根拠を示して考えを述べればいいし、話を聴く際は客観的根拠があるのか確認しながら話を聴けばOKです。ただし、原則1.「相手の話を聴いていることを伝える」ことは忘れずに!

 

 次に感情ベースの会話においては、次の2点を意識してください。
(1)「出来事+感情」の形で感情のやり取りをする
 単に事実を述べるだけでなく、自分の感情も伝えるようにしましょう。
 (例) ×「昨日の~の試合は~が勝った」
       〇「昨日の~の試合は~が勝って嬉しかったんだよね!」
 また、相手の話を聴くときも単に出来事を聴くのではなく、出来事に伴う感情を引き出すような聴き方をするとgoodです。
 (例2)×「昨日の休みは何してたの?」
     〇「昨日の休みはなんか楽しいこととかあった?」
(2)共感を示す
 共感することではなく、共感を示すという点が重要です。いくら共感していても共感していることが相手に伝わっていないのでは何の意味もありません。これは原則1.「相手の話を聴いていることを伝える」と同様です。
 では、共感を示すにはどうすればよいか。共感を示すには相手の話に対して「相手が話した出来事+そのとき抱いた(であろう)感情」を話します。分かりにくいと思いますので例を上げましょう。
(例)
A「この前好きだったアイドルの~ちゃんが引退宣言しちゃって…」
B「~ちゃん辞めちゃうんだ…。~ちゃん好きだったもんね…。好きな子がテレビで見れなくなるのは哀しいよね…」

 このように相手が述べた出来事を反復(オウム返し)し、そのとき相手が抱いた(or抱いている)感情を伝えることで、あいては「自分の気持ちを分かってくれている」「共感してくれている」と感じます。また重要なのは、ここで相手がどのような感情を抱いたのかを質問しないことです。質問とは分からないからするものなので、質問する→相手の気持ちが分かってない→共感されてない、となります。
 こういうことを言うと、「人の気持ちなんて目に見えないし、分かるわけがない」という意見が出てくるでしょう。それは確かにその通りです。人の感情は複雑なものですし、他人のそれを100%理解するなど到底できないでしょう。しかし、相手の感情が「喜怒哀楽」のどれに分類できそうか、ぐらいなら分かりそうではないですか?
 上の例で言えば好きなアイドルが引退して「喜んだり、楽しかったり」は一般的にしないですよね。普通は「哀しい」、人によっては辞めることに対する「怒り」となるでしょう。そして、「哀しい」か「怒り」のどちらかは相手の表情や声のトーンなどから普通は判断できるものです。
 相手の感情を判断する際のポイントは、相手の感情や声のトーンを参考にしつつ、一般に多くの人ならこういう感情を抱くだろうという感情を述べることです。また、これは別に外れても構いません。外れれば共感を示すことには失敗しますが、そこからその人固有の考え方・感情の抱き方がわかり、関係が深まるにつれ「一般的に多くの人なら~」が「この人なら~」にシフトしていくことができますから。
まずはあまり親しくない人には「一般的に多くの人が抱きそうな感情」を、親しい間柄なら「この人ならこういう感情を抱くだろう」ということを述べれば大丈夫です。

話が長くなったので、共感を示す際のポイントをまとめましょう
・「相手が述べた出来事+そのとき抱いたであろう感情」の形で返す
・どんな感情を抱いたかは質問しない
・相手の表情や声のトーンも参考にする
・まずは一般的な人が抱くだろう感情から。親しくなったらその人なら抱くだろう感情にシフトする。

 

以上!今回は長くなったので、すべて一度に実践しようとしなくても大丈夫です。
1つずつ、少しずつ身に着けてみてくださいね。

コミュニケーションの原則2. 言語情報と非言語情報を一致させる

こんにちは、またはこんばんは。
コミュ障のマサです。

 

今日はコミュニケーションの原則2.
言語情報と非言語情報を一致させる
についてお伝えします。

 

「人との会話は言葉のキャッチボールである」という言葉を聞いたことがある方は多いと思いますが、実際には人との会話でやり取りされるのは言葉だけではなく、表情や目線、身振り手振り、声のトーンなど非言語的な要素も多く含まれます。
そして、一般に前者すなわち話の内容を「言語情報」、それ以外の表情などを「非言語情報」と呼びます。

 

この言語情報と非言語情報を一致させましょうというのが、コミュニケーションの第2原則です。

 

一般に言語情報と非言語情報が一致していない場合、非言語情報のほうで解釈されます。
例えば、「怒ってない!」とさも怒っているような表情、声のトーンで言われたらどうでしょうか?言語情報では「怒ってない」と言っているわけですが、普通は怒っていると受け取りますよね。
また、仕事の面接で「~には自信があります」と自信のなさそうな表情で言われたら、普通は自信が無いと受け取られるものです。

 

このように言語情報と非言語情報が一致していないと、普通話の内容すなわち言語情報は信頼されず非言語情報のほうで解釈されてしまいます。
相手に伝えたいことがあるときは特に、言葉の内容だけでなく表情や身振り手振り(非言語情報)でも相手へ気持ちを伝えることを意識してみてください。

 

コミュニケーションの原則1. 相手の話を聴いていることを伝える

(2022.12.1 記事タイトル、本文を一部修正しました)


こんにちは。コミュ障のマサです。

 

これからコミュニケーションにおいて押さえておくべき原則について、順に紹介してきます。

 

まず始めとなる原則1は、

相手の話を聴いていることを伝える

です。

 

具体例としてこういう場面を想像してみてください。
あなたが人前でスピーチをしているとします。
会社のオフィスや学校の教室などで、聴衆はイスに座って話を聞いているとしましょう。
あなたが聴衆を見渡してみると、机に突っ伏している人や、窓の外を眺めている人がいます。
一方であなたのほうを向いて、うんうんと頷きながら話を聞いている人もいます。
さて、あなたはどちらの人が自分の話を聞いてくれていると思えるでしょうか?

 

…さて、答えは確認するまでもないと思いますがその前に1つ前提となる話をしておきましょう。
当り前の話ですが、人の話というのは基本的に耳で聞く、すなわち五感のうちの「聴覚」で聞くわけです。
であれば、上の例の机に突っ伏している人なども話をちゃんと聞いてくれていなかったとは限りません。もしかしたら話に集中したいがためにあえて顔を伏せ、視界を遮って耳から入ってくる情報に注意を研ぎ澄ませていた可能性もあります。
…ですが、上の例を見てあなたは机に突っ伏している人が自分の話を聞いてくれているとはきっと感じなかったと思います。

 

このことから学べるのは、単に耳で話を聞いているだけでは話し手は話を聞いてくれているとは感じないということです。
つまり、人とのコミュニケーションにおいては相手の話を聴いていることを相手に「伝える」ことが必要になってきます。
当り前ですが、自分の話に耳を傾けてくれない(正確には耳を傾けてくれていると感じない)人に対して人は好感を持ちにくいものです。

 

では、どうすればあなたの話を聴いていますよと相手に伝えることができるのでしょうか?
その代表的な手段をいくつか挙げてみましょう。

(1)うなずき
 これは上記の例でもありましたね。自分の話に対してうんうんと頷きを返してくれると人は自分の話を聴いていると感じられるものです。

(2)相手のほうを体ごと向く
 上の例で窓の外を眺めていた人のように、そっぽを向かれていたら仮に話を聞いていたとしても話し手は聴いてくれているとは感じにくいものです。 
 また、顔や目線だけでなく、体全体を相手のほうに向けるのがポイントです。

(3)オウム返し
 オウム返しとはその名の通り、相手の言葉をオウム返しのように繰り返すことです。バックトラックと言われたりもします。
 多くのコミュニケーション本などでオウム返しが大事だと言われるのは、オウム返しが相手の話を聞いていないとできないから=できると自分の話を聴いてくれていると話し手は分かるからです。

(4)言い換え
 相手の話の内容を言い換えることです。相手の話を言い換えることも相手の話を聞いていないとできないことですから、言い換えることで話を聞いていることが相手に伝わります。言い換えなければ(3)オウム返しになりますね。

 

…他にも相手の話を聴いていることを伝える手段はありますが、今日はこのくらいにしておきましょう。あまり色々詰め込んでも実践するのが難しくなるので、まずは上に挙げたものから日々の生活の中で実践してみてください。
また、実践する際はぜひ積極的に相手の話を聴いていることを伝えることを意識してください。話を聴くことは決して「受動的」ではなく「能動的」なものです。このことは意識していないとつい忘れてしまいがちですので、よほど話の聞き方に自信がある方でないなら積極的に伝えるぐらいでちょうどいいです。自分の話に積極的に耳を傾けてくれる人を、人はなかなか嫌いにはなれないものですからね。

 

 

…ちなみに余談ですが、よく「聞く」と「聴く」という漢字を対比して人の話を聞くときは単に耳で「聞く」のではなく耳と目と心で「聴く」のが大事だと言われるのは、要するに「相手の話を聞いていることを目線なども含めて相手に伝えることが大切」という意味・・・なんだと思います。たぶん(笑)

いちおう「聴く」という漢字のほうが相手の話を傾聴している感が出るので、原則1の内容でも「聴く」という漢字を使っていますが文章内ではその限りではありません。特に深い意味はないので気にしないでくださいね。