共感についてよくある誤解~共感とは「相手が」どう感じているかを理解することである~

こんにちは、またはこんばんは。
コミュ障のマサです。

今日は共感についてよくある誤解についてお話します。

皆さんは次のような会話を聞いたり、したことがあるのではないでしょうか。
A「この間上司に~って嫌味みたいなこと言われてさ」
B「分かる分かる。私もこの前上司に~って言われてさ。一日イライラしちゃったよ」

さて、このBさんの反応を見てBさんはAさんに共感していると考える方もいるかと思います。
一般に誰かの話した経験に対して、自分も同じような経験があるとBさんのように「分かる」という言葉を使って自分も似たような経験があって~と話しがちですよね。

ですが、このBさんの反応は実は共感できているとは限りません。

 まずAさんの話に注目してみると、Aさんは嫌味を言われたという事実は話していますが、そのあと自分がどういう気持ちになったのか、どういう影響を受けたのかは話していません。この後Aさんも嫌な気分になっていたなら、結果的にBさんは共感してくれたとAさんは受け取るかもしれませんが、仮に「でも上司の言うことにも一理あるかなと思って~」と続くなら共感してくれたとはならないでしょう。
 もちろん、今は文章で表現しているため話の内容しか分かりませんから、このときAさんが不快そうな表情を浮かべていたなら、「きっと嫌な気分になったのだろう」と共感することはできます。
 ですが、仮にそうだとしても共感する上で大事なのは「相手が」どのように感じたかであって、「自分が」どのように感じたかではありません。言い換えるなら、共感するす際は基本的に相手(話し手)が主語になるのです。「きっと嫌な気分になったのだろう」というのは「(Aさんは)きっと嫌な気分になったのだろう」ということですよね。
でもBさんは自分が似た経験をしたときに、「自分が」どういう気持ちになったかを話してしまっているわけです。

 また、ここで注意すべきなのは共感「する」ことと共感を「示す」ことは別だということです。
「(Aさんは)きっと嫌な気分になったのだろう」と共感したことを示す(伝える)際は、「~と言われて(あなたは)嫌な気分になったんだね」と相手を主語にすることもできるのですが、「そういうこと言われると嫌な気分になるよね」とあたかも自分も同じような経験をしたらそう感じるという言い方をすることもできます。そして多くの場合、後者の言い方のほうが話し手の共感してくれてる感は大きくなります
 ただし、自分が同じような経験をしても話し手と同じような感情を抱かないだろうときに後者の言い方をしてしまうと、後々「嘘をつかれた」と話し手が感じることもあるでしょう。
 ですので、自分もきっと同じような感情を抱くだろうときは後者の言い方を、そうでない場合は相手を主語にした前者の言い方をオススメします。ただし、相手を主語にする場合はあえて「あなたは嫌な気分になったんだね」と主語を言葉にせずに、「(あなたは)嫌な気分になったんだね」と主語を言葉にせずぼかすほうが話し手の共感されている感は増すでしょう


 ところで、共感の話とは少し趣旨がずれますが、上の例でBさんはAさんの話をさえぎって自分の経験の話を始めてしまっています。基本的に相手が話しているときは最後まで聴くのが基本です。自分の話は相手の話を聴き終えてから話すほうがよいでしょう。

 話の聴き方や共感の示し方については下記記事でも述べていますので、よければ参考にしてください。

masa-commusyou.hatenablog.com

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